AssassinFXは2023年7月3日、コピートレードの強制ロスカットによる詐欺行為を行っています。
当日は通常の10倍のロット数で取引が行われる、異なるコピー元であっても多くのユーザーの口座にロスカットが行われるなど、不自然な点が多い事件です。
また、コピー元の口座を運営していたトレーダーのTwitterアカウントが一斉に非公開・削除されたことから、計画的な犯行だったのではないかと疑う声もあります。
そこで、今回はAssassinFXが詐欺行為を行った経緯と以前から疑われていた理由について解説していきます。
AssassinFXのコピートレード強制ロスカット詐欺事件の全貌
AssassinFXで実際に行われたコピートレード強制ロスカット詐欺事件の全貌を解説していきます。
AssassinFXは2023年7月3日に大量の強制ロスカットを行う
2023年7月3日、AssassinFXがコピートレードユーザーの口座で大量の強制ロスカットを行いました。
正確な被害者数は不明なものの、1,500~10,000人、被害総額は数十億にも及ぶとも言われています。
しかし、この大量の強制ロスカットが怪しいと言われているのには、2023年7月夜に突如行われた「異常なロット数でのハイリスクトレード」です。
前日まではロット数を抑えた堅実なコピートレードが行われていたのに、急に10倍のロット数で行われた不自然なハイリスクトレードによって損失が生じました。
そのため、この行為はトレーダーの資金を出金できなくするための「意図的な損失」ではないかという疑惑が向けられています。
AssassinFXがTwitterにてコピートレーダーの勧誘を行う
AssassinFXの詐欺事件としては2023年7月3日に大量の強制ロスカットが行われたことが有名ですが、実際は集団詐欺事件ではないかと疑う声もあります。
AssassinFXは以前からSNS上で「FXトレーダー」を名乗るアカウントにて、「コピートレードの勧誘」が行われていました。
具体的な勧誘方法は以下の通りです。
- STEP
SNS上で有名なトレーダーが取引実績を公開し、「利益が増やせる」ことでフォロワーを集める
- STEP
フォロワーにTwitterのDMで直接勧誘
- STEP
信頼したフォロワーはアフィリエイトリンクから新規口座開設をする
SNS上で有名なトレーダーが、実際の取引実績を公開することで信頼をさせて勧誘するという行為を繰り返していました。
しかし、2023年7月3日の強制ロスカット以降、いくつかあった勧誘アカウントが全て一斉に削除されています。
利用者側でコピートレードの契約解除ができない不可解な仕様
通常、コピートレードでは安全性の面から利用者側から簡単に解除できるような仕様となっています。
しかし、AssassinFXはコピートレードの契約解除を利用者側からすることはできない仕様となっており、詐欺行為を行うには便利な仕様であったと考えられます。
AssassinFXが詐欺行為を計画していたと考えられる根拠
AssassinFXは、資金難が影響してやむなく詐欺を行っていたわけではなく、計画的に詐欺行為に及んだ可能性が高いです。
その根拠をいくつか解説していきます。
ホワイトラベルを利用していた
AssassinFXは、FX Fairのホワイトラベルということがわかっています。
ホワイトラベルとは、他の海外FX業者の取引サービスを手数料を払って借りることですぐに運営が可能になるという仕組みのことです。
提供する側は手数料が得られるメリットがありますが、信頼性にかけるブローカーや詐欺ブローカーに利用されることが多いというのも特徴として挙げられます。
つまりAssassinFXは、FX Fairにお金を払って取引サービスを利用していました。
FX Fair側は資本提携などの関連はないと発表していますが、AssassinFXの事件後に「取引プラットフォームの停止」などがあり、事実上の出金拒否状態となっています。
このことからも、AssassinFX・FX Fariともに信頼できない業者と言えるでしょう。
以前から出金拒否が報告されていた
AssassinFXは詐欺行為が行われる前から、SNS上で出金拒否が発生しても運営が対応してくれないという投稿が見受けられました。
優良な海外FX業者でも、出金ルールが複雑でわかりづらく出金トラブルになることも多々あるのが事実です。
一般的には出金トラブルはサポートに確認して規約違反がないかなどのやり取りを行い、問題がなければ出金できます。
しかし、AssassinFXの疑惑は「出金拒否後にサポートに問い合わせても返信がない」ことでした。
とくに2023年に入ってからは出金拒否の投稿が相次ぎ、詐欺業者ではないかと疑われていました。
詐欺行為直前まで入金ボーナスが行われていた
AssassinFXでは、2023年7月23日の詐欺行為直前まで、入金ボーナスキャンペーンが行われていました。
ボーナスキャンペーンの仕組みとして、ボーナスで集客を行い広めのスプレッド(手数料)で回収するというケースが一般的です。
そのため、低スプレッドを「売り」にしている海外FX業者はボーナスキャンペーンが少ないことがほとんどです。
つまり、低スプレッドを売りにしていたAssassinFXがボーナスキャンペーンを大々的に行っていたのは不自然と言わざるを得ません。
また、入金ボーナスの金額も「200%」という異常な高額をアピールしており、より多くの金額を集めようとしていたのではないかと考えられます。
コピートレードによる異常な勝率
AssassinFXは、コピートレードができる海外FX業者として注目されていました。
また、人気を集めていたのは「コピートレードによる異常な勝率の高さ」です。
勝率の高いベテラントレーダーの手法をコピーできると言っても、勝率は高くても6割程度が現実です。
トレーダーも人間なのでいくら知識が豊富でも常勝できるわけではありません。
しかし、AssassinFXのコピートレードでは通常はありえないような勝率の高いトレーダーが多かったこともあり、「怪しい」と疑う声もありました。
AssassinFXの運営会社の不透明さ
AssassinFXはもともと情報公開している部分が少なく、不透明な運営が露見されていました。
実際、AssassinFXはペーパーカンパニーを解説してレンタルオフィスなどの賃貸で実態のない運営を行っています。
また、公式ホームページでは取得している法人番号は公開しているものの、以下のように重要な情報は載せていません。
- 会社の設立年月日
- 金融ライセンス
とくに金融ライセンスの有無は「ブローカーとして信頼できる」かどうかの重要な判断基準ですが、AssassinFXは金融ライセンスは取得いないため載せていなかったと考えるのが妥当でしょう。
AssassinFXは集団詐欺事件の可能性が高い:まとめ
今回は、AssassinFXの強制ロスカット事件の経緯や、以前から疑われていた理由について解説しました。
まとめると、AssassinFXは集団詐欺事件を計画的に行った可能性が高いと言えます。
とくにTwitterアカウントを用いた勧誘、それに伴うコピー元トレーダーのアカウントの一斉非公開・削除は意図的であったと言わざるを得ません。
海外FX業者は金融庁からの規制を受けないことから、レバレッジの高さやゼロカットシステムを利用できるというメリットがあるのは事実です。
しかし、いざ事件が起きたときには100%保証される安全性がないという点には注意が必要でしょう。
たとえば金融ライセンスを保有しているかどうか、実績があるかどうかなど、信頼できる業者選びが重要となります。