クラウドバンクの案件の詳細で「利回り」ばかり見てませんか?「担保」や「保証」はちゃんと見てますか?
一応、見た人はいてるかもしれませんが
- 「抵当権」とか「抵抗要件」とか難しい言葉が分からない
- どこを見て何を基準に投資ファンドを決めればいいか分からない
など、疑問に感じることが多いです。でも大事なことなので理解してほしいです。
この記事を読めば、
- 「担保」や「保証」に関する聞きなれない言葉を理解できます
- どのようなところに注意して投資先を決めればいいのかがわかります
担保や保証の有無だけを見て投資先を決めるのはリスキーです。
案件についている担保で、元本割れのリスクを回避できるのかを見極めることが重要です。
クラウドバンクの「担保」と「保証」かんたんに説明
クラウドバンクなどソーシャルレンディングをする上で一番のリスク。
- 融資した元本が全額戻ってこない
- 元本が減って戻ってくる
つまり、元本割れが起きること。
そこで重要なことが、「担保」や「保証」の有無です。
担保や保証をつけて、借り主が返済できない状況になっても、しっかりと貸したお金を返してもらうことが大切です。
クラウドバンクの「担保」とは?
担保とは、万が一借り主が貸したお金を返済できない場合に、借金の返済に充てられる財産(不動産や物、権利書など)を貸し主に提供しておくことです。
クラウドバンクの「保証」とは?
保証も担保のひとつです。
万が一借り主が貸したお金を返済できない場合に、借り主以外の者(保証人や連帯保証人)から返済の請求をできるようにしておくことです。
抵当権・質権・譲渡担保の違いと抵抗要件とは?
クラウドバンクの案件の詳細を見ると、担保の概要には
- 抵当権(ていとうけん)
- 質権(しちけん)
- 譲渡担保(じょうとたんぽ)
- 抵抗要件(ていこうようけん)
など、聞きなれない言葉が出てきます。抵当権・質権・譲渡担保は担保の一種です。
簡単にまとめると、以下の表になります。
抵当権 | 不動産に設定される 借り主が使い続けることが可能 |
質権 | 動産に設定される 借り主が使い続けることが不可 |
譲渡担保 | 不動産・株式・高価な機器など財産価値があるものなら設定できる借り主が使い続けることが可能 |
抵当権(ていとうけん)とは?
借り主が貸したお金を返済できなくなる場合を想定して、不動産に設定する担保のことです。
担保となっても、借り主はその不動産を使い続けることができます。
例えば
「住宅ローンを利用して家を購入する」という場面がイメージしやすいです。
ローンを払いながら、購入した家に住むことができます。
ローンの支払いが滞った場合、購入した家は競売に出され、残りのローン返済に充てられます。
質権(しちけん)とは?
借り主が貸したお金を返済できなくなる場合を想定して、動産(不動産以外の物や財産)に設定する担保のことです。
担保とした動産は、貸し主に渡すので借り主が使い続けることはできません。
たとえば
質屋をイメージすると分かりやすいです。
質屋では、高級時計や宝飾品などを持ち込み、現金化。期限までに元金と利息を返せば、預けた物を返してもらえます。
しかし元金と利息を返せなければ、当然預けた物は返されません。質屋は預かった物を売って現金化する。
という仕組みと同じです。
譲渡担保(じょうとたんぽ)とは?
不動産・動産(不動産以外の物や財産)など、財産価値があるものなら設定できます。
不動産には抵当権が利用できるため、一般的に譲渡担保では動産に設定します。
質権では、担保とした動産を貸し主に渡す必要があります。
「動産でも担保とした物を使い続けることができるようにしたい」という考えから、譲渡担保ができました。
担保とした動産を抵当権のように担保にしつつも使い続けたい時に利用します。
抵抗要件(ていこうようけん)とは?
「第三者に対して、設定した担保の主張をするためのもの」です。
どういうことか詳しく解説します。
「抵当権」と「譲渡担保」は、担保に設定されていても、借り主が使い続けることが可能です。
その間に借り主が、別の者に譲渡したり、別の金融機関などから借金をする際に重複して担保に設定したりすることも可能です。
そこで、突然現れる第三者に対して「その物は、私が担保として設定している物だ」と主張する権利が、「抵抗要件」ということです。
主張する権利を持っているのか、いないのかが非常に重要です。
主張する権利を持っていない(抵抗要件なし)ということは、第三者が現れた時に主張することは
できません。
抵抗要件があるのとないのと・・・
第三者に対して主張できなければ「担保」ではなくなり、元本割れのリスクが高まります
逆に、主張する権利を持っている(抵抗要件あり)なら、第三者が現れても主張することができます。
担保として確保でき、元本割れのリスク回避になります。
クラウドバンクは担保があるから安心できる?
担保があっても安心はできません。
担保にしている物にどれだけの価値があるのかが重要です。それでは、どうやって担保の価値を調べたらいいのでしょうか?
担保不動産の価値を調べる
クラウドバンクの案件の詳細に公示地価平均が記載されています。
更に詳しく調べる方法があります。
会員限定情報に融資先の住所が記載されていれば「公示地価 地名」で検索すると、周辺の土地の価格が分かります。
具体的な価格は分かりませんが、大まかな目安になります。
担保の価値の指数「LTV」とは?
「LTV」とは、「Loan To Value」の頭文字をとった略語です。
担保にしている不動産価格のうち、借金の割合を示すものです。LTVは、次の計算式で求められます。
LTV(%)=融資総額÷評価額
なぜ「LTV」を気にする必要があるのでしょうか?
不動産は価格変動する。
↓
担保にしている不動産の評価額は募集時のもの。
↓
投資期間が終わり償還される際に、もし評価額が下がってる。
↓
元本割れのリスクが高まる。
そのため、担保にしている不動産価格と借金の割合を把握しておく必要があります。
LTVは、80%以下が望ましいと言われています。
LTVは低いほど元本の回収率が高まり、リスク回避になります。
まとめ:クラウドバンクで投資先を決めるポイント
クラウドバンクで投資先を決めるには、担保の有無だけではなく
- 担保の種類をみて「どんな性質か」「どんなリスクがあるか」を考えておく
- 「担保」で充分に元本や利息を回収できるか
を知っておくことでリスクを低減できます。
配当など「儲け」にばかり注目せず「担保」「保証」に目を配り、「損」しないようにすることが大事です。
ファンドに投資するときはぜひ確認しましょう。